アピストグラマの飼い方
アピストグラマの飼い方といっても普通の熱帯魚と同じでかまいません。小型なので水槽も小さいもので十分です。ただ、そもそも多くのアピストグラマは(弱)酸性の軟水に生息しています。飼育水を生息地の水に少しでも近づけることができれば、より簡単にそしてより健康に飼育することができます。飼育水を(弱)酸性の軟水にするためにはアクアリウムの底砂にアクアソイルなどを用いるのが手軽で効果的だと思います。


最も簡単な飼育例です。


準備するもの
水槽 45〜60cm、水槽のフタ、蛍光灯、ヒーター、サーモスタット、スポンジフィルター、エアーポンプ、アクアソイルなどの底砂、レイアウト用品(流木、水草、半分に切った植木鉢など)


準備するもの個々詳細
水槽、フタ、蛍光灯、ヒーター、サーモスタット
水槽はアピストグラマのペアと若干の混泳魚での飼育であれば小型のもので十分です。45〜60cmの最も一般的なサイズがちょうど良いと思います。30cm水槽(水量10リットル程度)でも飼育できなくはありませんがお薦めしません。アピストグラマのペアはその時々の状況によりオスとメスの力関係が変化します。産卵時などペアの力のバランスが崩れたとき水槽が小さく逃げ場が少ないとどちらかが殺されてしまう場合があります。フタはその水槽に専用のものが市販されていると思います。蒸発防止に隙間はふさいだ方がいいかもしれません。蛍光灯は色々ありますのでお好きなものを使用してください。ヒーター、サーモスタットは何でもかまいません。水温は25℃程度に調節してください。

スポンジフィルター、エアーポンプ

フィルターはスポンジフィルターが掃除も簡単で扱いやすいと思います。写真はテトラ社のブリラントフィルターです。ダブルブリラントでスポンジを2つにしても良いかと思います。フィルターはその他、底面フィルター、上部フィルター、外部式フィルター、何でもかまいません。底面フィルターを使用する場合はフィルターの上にウールマットを敷き、その上に底砂を敷いてください。上部フィルターの場合は排水口にL字パイプを取り付け水槽のコーナーに流水をあてると良いと思います。水の勢いが緩和され、底砂の巻上げを防ぐことができます。

アクアソイル

写真はアクアソイル(アマゾニア)9リットルサイズです。アクアソイルはアクアデザインアマノさんの商品です。アクアソイルは水槽の水を弱酸性の軟水に変化させます。もともとは水草専用の底砂です。アピストグラマと水草はよく似合います。水槽にはぜひ水草を植えていただきたいと思います。9リットルサイズ1袋で60cm水槽が1本、45cm水槽なら砂の量がちょっと少なめになりますが2本セットできます。アクアソイルを用いれば誰でも安全にアピストグラマを飼育することができます。熱帯魚を一度も飼育されたことのない方でも繁殖が体験できるのではないでしょうか(実際にそういう方もおられます)。もちろんソイル系底砂を使用しなくてもアピストグラマの飼育はできます。この場合、とりわけ初めて飼育される方では、アピストグラマは他の熱帯魚と比べて少しデリケートだと感じられることがあるかもしれません。本来アピストグラマはどんな熱帯魚にも負けないくらい強健です。その力強さをアクアソイルは容易に引き出してくれます。

レイアウト用品(流木、水草、半分に切った植木鉢など)
アピストグラマはペアでもよくケンカをします。水槽内に隠れ家となるようなものを十分に入れてあげる必要があります。水草は何でもかまいません。色々植えてみてください。流木や植木鉢は産卵場所にもなります。


実際に水槽をセットしてみます
準備したもの
水槽45cmX30cmX30cm、専用のフタと蛍光灯
スポンジフィルター、エアーポンプ
アクアソイル・アマゾニア 4.5リットル(9リットルサイズ半袋)
レイアウト用品(流木、水草、半分に切った植木鉢)



水を注ぐ際にアクアソイルを巻き上げてしまうと水が濁ってしまいます。はじめはお皿などを置いてその上から少しづつ注いでください。お皿の上ぐらいまでたまったらホースで注ぐなりしてください。アクアソイルを使用する際にはまず取扱説明書をご覧ください。濁った場合の対処法なども書いてあります。


ある程度水がたまった状態で流木をセットし水草を植えます。作業がすんだら上まで水を注ぎます。


出来上がり。実に殺風景ですが、こんなところでいいのではないでしょうか。このまま数日水を回した後、魚を導入します。はじめはろ過バクテリアがほとんどいない状況ですので魚に与えるエサは少しだけにしてください。今回作ったアピスト水槽は今後随時経過を報告する予定です。今回紹介した水槽のセット例は最も基本的なものです。アピストグラマの飼育にこうでなければならないといったものはありません。ご自分の好みに合わせて色々アレンジして飼育していただきたいと思います。


日常の管理
エサ
アピストグラマは何でも食べます。人工飼料やフリーズドライフード、生餌(ブラインシュリンプ幼生など)、冷凍飼料(冷凍赤虫やブラインシュリンプ成体)を与えてください。若魚には毎日でなくても生餌や冷凍飼料を与えた方が立派に育つと思います。色揚げ効果のあるエサをぜひ与えてください。個体の素質にもよりますがかなり美しくなります。孵化させたブラインシュリンプはとても効果的です。体色の赤や黄色が非常に強調されます。その他には色揚げ効果を謳う人工飼料やフリーズドライフードも多く販売されています。以前、知人から聞いたのですが、当方の魚にヌマエビを与えていたところ真っ赤になったと言うことです。そういう手もあるのかもしれません。エサは1日に1〜2回食べ残しが出ないように与えてください。朝晩2回与える場合は1回の分量を少なめにしてください。エサの与えすぎはよくありません。体形が崩れるうえに、病気にかかりやすくなります。また冷凍赤虫に関しては、成魚にたくさん与えると腹水症などの病気の原因になる場合があります。若魚に与える場合でも1日2回お腹いっぱい与えたのでは多すぎます。

水換え
水換えは頻繁に行う必要はありません。アピストグラマのペアと若干の混泳魚(小型カラシン5〜10匹程度)ならば1ヶ月に一度、1/3〜1/2の水換えでよいと思います。あまり頻繁に水換えを行うと底砂などによって作られたアピスト好みの水を元に戻してしてしまうことになります。かといってあまり水換えをしないと病気にかかりやすくなってしまうようです。

繁殖
飼育を進めるうちにアクアリウムの水はアピストグラマに適したものになってきます。特別なことをしなくてもたぶん産卵してくれると思います。産卵後メスは体色を美しく変化させ卵の保護を始めます。シクリッドの繁殖といえば雌雄が仲良く子育てをする光景が思い浮かびますが、アピストグラマのペアでは多くの場合産卵後あまり仲良くはありません。オスがメスを(逆もあります)ボロボロにしてしまうこともあります。アピストグラマの繁殖では、メスは卵や稚魚のすぐそばで保護を行い、オスはその周りで外敵の侵入に備えます。役割分担があるようです。メスはたとえオスであっても卵や稚魚に近づけば追い払います。小さな水槽内での繁殖では、オスが頻繁にメスの守備範囲に侵入してしまうため結果的に喧嘩しがちとなってしまうのかもしれません。あまり喧嘩が激しいようならオスを取り出してください。稚魚を育て上げる場合では、産卵後早いうちにオスを取り出してしまった方がいいかもしれません。産卵後約1週間で稚魚が泳ぎ始めます。
孵化させたブラインシュリンプやベビーフード(稚魚用人工飼料)を水で溶いたものをスポイトで少量、朝夕(晩)2回なるべく食べ残しが出ないように与えてください。ただベビーフードに関しては実際に与えてみたのですが、泳ぎ始めたばかりの稚魚ではなかなか食べてくれません。人工飼料中心で育て上げる場合でも、やはり初めはブラインシュリンプを与え、少し大きくなって体力のついたところで徐々に慣らしていったほうがよいように思われます。

注意
今回紹介した飼い方で必ず飼育がうまくいくとは限りません。あくまでも標準的な飼い方です。全国各地の水道水もしくは井戸水には様々な水質があるものと思われます。硬度やpHが特別高い地域では最初の水作りや水換えなどをより慎重に行う必要があるものと思われます。